2014年後半に入ってから格安SIM、格安スマホと呼ばれるMVNOによる割安なデータ通信プランが値下げ競争を開始し、通常キャリアのデータパック料金よりも大幅に安いものが登場し出しています。
2014年12月時点での最安値クラスの標準は「月額1000円以下で2GB」だと考えて良いと思います。多くのMVNOがこれにあわせて料金プランを設定しているはずです(いろいろオプション・特典もあるので一概には言えないのですが)。
2GBのプランがある各社の料金の一例を挙げてみますと、
・@nifty 「NifMo」 2GB/ 900円
・BIGLOBE LTE・3G 2GB/ 900円
・hi-ho LTE typeD ミニマムスタート 2GB/933円
・ワイヤレスゲート 2GB /853円(2015年1月から)
・ビックカメラ BIC SIM ミニマムスタートプラン/ 2GB 900円
・IIJmioエントリープラン 2GB/900円
・OCN モバイル ONE データ通信専用SIM 2.0GB/月コース 2GB/900円
(料金は2014年12月19時点、税抜き表記に統一しています。)
見事なまでに料金は横並びです。この他に2GBで1500円~2000円くらいに設定しているところもありますが、1000円前後というのが今の流行です。
それでは本題の900円で3GBを利用できる裏技的?な運用方法ですが、3GBを利用するためにはイオンが12月から発売を開始したモバイルルーターとのセット販売回線を利用するのです。
ルーターとのセットについては昨日の記事「イオンルーターはひょっとして良案件?900円で3GB使える最強格安SIM回線」を参照して下さい。
イオンが提供するSIMカードは上記にも登場したIIJmioのものです。通常の料金プランであればやはり同じ料金の2GB 900円~となるのですが、現在はキャンペーン中で各プランのデータ通信量が1GB増量されるのです。キャンペーンの開催期間は特に設定されていないようです。
☆「イオンショップ」
販売価格は上記イオンショップでNECのルーター「Aterm MR03LN」とSIMパッケージ込みで税抜き23,457円です。
ルーターも使いたい場合はそのままSIMとセットで運用すればOKですが、すでにLTEで使えるルーターは持っているという場合でも、未開封のままオークションやショップに売れば定価よりも多少の損は出ると思いますが、現状ではかなりの高値で売れます。SIMフリー機種ですから、分割払い中でも関係ありません(無論分割にしたなら残債は支払う必要があります。踏み倒すのは普通に犯罪ですので)。
1GBのプラン増量は2年間(24ヶ月)続くという太っ腹な設定です。利用開始月から3GBに増えていますので、初めから安心して使えます。
ここで3GBというデータ量の料金を考えてみますと、たとえば本家のIIJmioでは2GBプランに追加クーポンで500MBプランを2回追加すると、900円+1500円×2回=3900円も掛かります(こんな使い方をする人はあまりいないと思いますが・・・)。
IIJmioの4GBプランでは1520円で利用できますが、月々の維持費は+620円となり、24ヶ月で14880円の負担増です。3GBでは足りなくて4GBが欲しいという方は直接4GBのプランを選べば良いです。
さらに他社でau系のMVNOであるmineoではちょうど3GBのデータプランがあり、これは月額2330円もします(2015年2月から3GBプランは無くなり、4GBプラン1580円というものが始まります)。この裏ワザ回線の倍以上のお値段。
他に3GBを実現する案としてはU-mobile データ専用 ダブルフィックスプラン 1680円(1GB以下の場合は680円)というのもありました。このプランは使わない月の維持費を抑えられて私好みなのですが、常時2-3GB使うよ~という人はやっぱり裏ワザ回線のほうがお得だと思います。
3GBプランで900円は確かに現時点では最強クラスの格安回線であることは断言出来るのですが、この回線を作るには先述したように、モバイルルーターをセットで購入しなければなりません。セットで割り引かれてもな~という方も多いでしょう。
そして端末を売ったとしても、端末代金コストをそのまま全額取り戻すことは無理でしょう。オークションで買う側にすれば、通常価格よりも安いからこそ正規ルート以外から買うわけなので。
端末代金がイオンでは税込み20217円です。これは昨日の時点で価格.comの最安値よりも安かったです。とはいえ、やはりヤフオクでの相場はもう少し下です。
端末の売買で損益が大きくなりすぎると、わざわざこのイオンルーターセットを購入してまで3GBにアップさせたお得感が薄れるのは避けられません。
例えば、1年間だけ900円3GBプランを運用するのと4GBプラン1520円を1年運用するのでは7440円分の差額しかありません。つまり、2万円で買ったルーターを1万3千円くらいで売り、1年間で3GBプランをやめてしまうくらいなら、最初からSIMだけ買って4GBプランに入っていた方が通信量も多くて手っ取り早かった、となってしまいます。
3GBで900円というプランは現在では破格なのですが、今後の料金プランがどうなっていくのかは判りません。どんどんMVNOの料金プランは安くなっていく傾向にあるので、これが来年のスタンダードのなることもあるかもしれません。
このお得感をどう判断するのかは「ルーター本体の転売価格」と「3GBという容量が必要か」、そして「すぐに、ある程度長い期間使いたいのか」に掛かっています。本体を自分で使い、2年間きっちり使いたいという方には相当お得であるとは思います。
MVNOの選び方は人それぞれの利用目的によって最適なプランが違います。格安SIMプランはいっぱいありますので、上記のイオンルータープランがご自身に合っているのか、もっと良い運用方法は無いのかとじっくり検討してみるのが良いでしょう。
イオンのスマホはシンプルな使い方にあったものが多いのですが、このルータープランはやや変則的な使い方をするとお得感がある、という意味でとても興味深いものでした。MVNO、奥が深いです。