日本でのP30 Proの発売が危ぶまれた段階で「P30 Pro並に楽しめるスマホは無いか?」と探したところで目についてしまったOnePlusの最新モデル「OnePlus7 Pro」。
しばらく使ってみて大体のところは把握出来ましたので、OnePlus7 Proを買ってみようかどうしようか迷っている人向けに、私の感じたところをお伝えしてみようかなと思います。
まず前置きとしまして、以下のレビューというか、評価というか、私の感じたところをいろいろと書いていますけれど、私のスマホに対する要求・比較イメージはかなり一般の方とはかけ離れている可能性があります。
OnePlus7 Proは従来のすべてのスマホを含めても最高峰に分類される端末の一台であることは間違いないと思いますが、「もっとこうあって欲しかった」みたいな部分も含めてかなり辛口評価になっているような気がしますので、「自分が何を求めるのか」を各自で判断して、参考になる部分・参考にしなくて良い部分を読み取って頂ければと思います。
では、本題の細かい評価を書いていきたいと思います。
【OnePlus7 Proのデザイン・ボディについて】
OnePlus7Pro、とてもカッコいいと思います。
私が輸入したのは「Mirror Gray」。真っ黒ではないですが濃いめのグレーで、光の反射が綺麗なコーティングがされています。
ディスプレイパネルは両サイドがラウンドエッジになっているためガラスフィルムはとても貼りにくそうですが、ノッチが無く、高い画面占有率で6.67インチという大画面を実現しています。
ちなみに私はいまのところデフォルトで貼ってあるPET保護フィルムをつけたままにしています。柔めで指紋は付きやすいですが、指すべりは悪くないです。
重量はかなりヘビーです。6.67インチという大きさのこともありますが、ガラス系のパネルを使っているせいか、ずっしりとした重みがあります。
同梱されていた
TPUケースを含めると実測で236グラムもありました。ちょっとしたタブレット並の大きさなのである程度の重量は覚悟しなければならないところながら、スマホで236グラムは・・・私は大きなスマホ自体にはさほど抵抗はありませんが、過去に
iPhone 8 Plusの202グラムでも挫折した経験があるので。
ベゼルレスデザインなので6.67インチというサイズから受ける印象ほど本体の持ち易さは悪くはないものの、「落としたら絶対に割れる」という不安感を覚える程度には重いです。
現地のことはよく知りませんが、日本国内では保証に入ることも出来ない(「
モバイル保険」は技適のない端末は保証加入出来ないはず)でしょうから、物理的な破損は怖いです。現時点ではOnePlus7 Proは決して安い端末ではないので。
これは良いところでもあり気に入らないところでもあるのですが、電源ボタンの上にスライド式のマナースイッチがあります。凹凸のあるメタリックなボタンで、「通常/バイブ/サイレント」の3段階に切り替えが出来ます。
個人的に、まだこのマナースイッチに慣れることが出来ません。というのも、Xperia 1,Mate20 Pro, AQUOS R3など、多くのスマホはこのマナースイッチの場所に音量キー、その下に電源ボタンがあるので、すぐ押し間違えちゃうのです...
マナースイッチは凹凸あり、電源ボタンはツルツルしているので触っただけでも違いは判り、本体左にボリュームボタン+右に電源ボタンという配置はiPhone X、Galaxy Noteとも同じなので、やっぱり慣れなのでしょう。場所は違いますがマナーの切り替え物理スイッチがある点ではiPhoneに近いですね。
【OnePlus7 Proのカメラについて】
OnePlus7 ProのカメラはDxOmarkの評価ではP30 Pro, Galaxy S10 5Gの112点に次ぐ、111点をマークしています。そのクオリティはさすがといったところ。
48メガのメインカメラ+ズームレンズ+広角レンズというトリプルカメラ構成で、スマホ一台で幅広い場面で活躍してくれることでしょう。
ただ、カメラの使い勝手は微妙な部分もあります。
私が気になった部分としては、
・48メガピクセルのサイズはプロモードでしか切り替えられない(
詳細記事)
・夜景モードはズーム/広角レンズでは使えない
・夜景モードの待機時間表示の位置が残念
・ズーム倍率の切り替えがやり難い(左右に動かす操作のせいで、カメラモードが切り替わってしまう誤操作をしやすい)
特にダメなのが、3つ目の「夜景モードの待機時間表示」です。これはユーザーインターフェイスの設計が残念過ぎます。
OnePlus7 ProではHuawei P20 ProやGoogle Pixel 3と同じように、手持ち撮影のままでも夜景が綺麗に撮れる専用モードがあります。
ファーウェイやGoogle端末で夜景モードを使ったことがある人なら解ると思いますが、夜景モード中には明るさに応じて数秒程度の撮影時間が必要となります。比較的明るい環境なら1~2秒、かなり暗ければ10秒位の待機が発生することもあります。
OnePlus7 Proもほぼ同じ仕組みなようなのですが、その撮影時間の残り表示がシャッターボタンの周囲に表示されるのです。
ちょっと上のスクショだと見づらいかもですが、右側にある白いシャッターボタンの周りに、黄色く円を描くように待機時間を表すアニメーションが表示されます。
夜景撮影をするわけですから、撮影者としてはなるべくスマホを動かさないようにします。当然、指もなるべく動かさないようにします。
しかし、指は撮影時にはシャッターボタンの真上にあるわけで・・・つまり、指を動かさないと残りの撮影時間が判らない=時間を確認するために手ブレが発生しやすくなってしまうのです。
もちろん、ちょっと指をずらせばシャッターボタンは見えるので、それくらいなら手ブレはしないかもしれません。でも、撮影中には最大限に端末を動かさないように指の動きを最小限にするクセが付いている私には、これがとても不快でした。
Pixelシリーズは待機時間がディスプレイのど真ん中に大きな円を描くように表示されます。ファーウェイのスマホもシャッターボタンの周りにアニメが出ますが、その上に秒数で残り時間が表示されますので、このような問題は生じません。
このカメラUI、ぜひ改善してほしいです。
飛び出すインカメラは非常にスムーズです。生体認証システムについては後述しますが、購入後しばらくは「ウィーン」と出てくるたびに面白くてニヤついてしまいます。
写真のクオリティについてはDxOmarkのように定量的な評価・チェックをしているわけではないので感覚的なものとなりますが、111点というハイスコアを記録するだけの性能はあると思います。
109点を獲得していたMate20 Proと比べて明確にどちらが優れている、というほどの極端な差はないものの、広角・標準・ズームも、それぞれ最高水準に達していると感じました。
最新のP30 Proには敵わないかもですが、同じくトリプルレンズになったXperia 1にはまず負けないと思います。少なくとも、ズーム性能はOnePlus7 ProのほうがXperia1より上でしょう。
以下の写真はOnePlus7 Pro, Xperia1, Pixel 3, Mate20 Proでそれぞれ最大ズームにして撮影した写真を切り出したものです(スマホはスタンドに固定。設定はすべて標準オート)。
OnePlus 7 Proのズーム写真
Xperia 1のズーム写真
Pixel 3のズーム写真
Mate20 Proのズーム写真
それぞれトリミングだけをしていますので画像のサイズがちょっと違いますが、望遠レンズを搭載していないPixel 3、2倍ズームのXperia 1よりOnePlus7 ProとMate20Pro では明らかにくっきりとズームが出来ています。
6月23日時点ではDxOmarkにXperia 1の評価は載っていないようですが、Mate20 ProやOnePlus7 Proのスコアを超えるのは難しいかもしれません。Xperia1はカメラそのものより、スマホでそのまま21:9で4K HDRが再生できる、Cinema Proなどのアプリのほうが魅力でしょうから、このズーム写真比較だけでスマホカメラとして良いか悪いかは判断出来ないですけれど・・・
全体としては、OnePlus7 Proのカメラは非常に高いレベルにあるとは感じました。しかし、Mate20 Proを大きく超えるような印象でもありません。DxOmarkでも2点差ですし。むしろカメラUIはファーウェイのほうが私は使いやすい・完成度は高いと感じました。
ちょっと長く語りすぎたので、前半はここまでにしておきましょう。
後半では
・生体認証システム(顔認証・指紋認証)について
・処理能力とパフォーマンス、発熱について
・電池持ち、充電周りについて
・スマホの頑丈さ、耐久性について
・OnePlus/Oxygen OSのシステム操作性について
・OnePlus7 Proの価格、コスパについて
といった項目の評価を書いていきます。
前半部分で評価した部分だけでも、正直に言って「OnePlus7 Proは最高で唯一無二」といったレベルにまで突き抜けたものは私には感じられませんでした。十分ハイレベルではあるものの、他のハイエンドモデル・他のメーカーの操作性に比べて完成度が高いということもない感じです。
価格面については後半で詳しく書きますが、これでもう少し安ければまた印象も違ったのかもですけれど、現時点ではお値段の方もそこそこしたので(苦笑)、どうしても求める水準が高くなってしまいました。
後半は良いところ・他端末に比べても最高レベルに満足出来た点も紹介しますので、興味のある方は引き続きお付き合いください。
(*OnePlus7 Proは日本向け端末ではありません。国内での利用にはいろいろと問題がありますので各自理解した上で購入検討をしてください)