今日はちょっと最近のスマホ業界の動きも考慮してまじめな話でも。
2019年もすでに半分以上が終わり、7月も後半です。これから夏休み・お盆休みシーズンが本格的に始まりますけれど、その夏休みが過ぎた頃と言えばスマホ業界では「新型iPhone」の登場が恒例行事となっています。
次のiPhoneに関してはすでに噂やテキトーな妄想情報がiPhone XSが発売された直後からちらほらと見受けられ、2019年モデルはトリプルレンズになるのか、名称は「iPhone XI」(11)になるのか、はたまた欠番となっていた「iPhone 9」が出たりするのか、気にはなりますけれど・・・まぁ、そういった眉唾な情報はどうでも良いとして・・・
今年、2019年はアップル・iPhoneの事情ではなく、携帯会社側・料金/割引側の動きがちょうど次の新型iPhone発売時期に直撃しそうで怖いですね。
もう大方の方針は固まったようですが、2019年はニュース等でも大きく話題となった「分離プラン・割引規制」が本格始動します。
すでにドコモ・au・ソフトバンクの3社はそれぞれ「分離プラン」と言える、基本料金プランに影響をされる直接的な端末割引を(少なくとも公式的には)付けずに販売するプランを出していますが、2019年10月以降、割引や還元に関する規制が強化される見込みです。例の「割引は2万円まで」みたいな、アレです。
iPhoneの新モデルは、例年通りであれば9月-11月の時期に海外での発表時に、日本のキャリアでも一次販売国としてすぐに発売されてきました。アップルが売るSIMフリーモデルは良いのですけど、キャリアの場合は9月に新しいiPhoneが出た場合、この時期に総務省による販売ルール規制に対応したプラン・値引きをすぐに提供できるのか、ちょっと不安ですね。ちょうどドコモが2019年夏モデルを5月に発表しておきながら、発売日自体はすべて新プランが始まる6月1日以降にずらしたように、ガイドライン・ルール改定の適用日次第で、ごたつく可能性があります。
「定期契約違約金を1000円以下に」というルールがあるため、キャリアはこの時期に全面的にプランの見直しをする可能性が高く、大きな動きになるでしょう。
2019年モデルの新iPhoneが「2019年秋の新プラン」や「大幅値引き禁止」に引っかかって発売日を迎えた場合、iPhone XR/8の後継機はともかく、「Xシリーズ」の正当後継モデルは、やはり10万円を軽く超える価格になることが予想され、ユーザーの実質負担もほぼ確実に高くなります。
ここで、2年前、2017年モデルのことを思い出してみます。
iPhone Xは2017年11月3日の発売でした。
iPhone 8 Plusは個人的「ワーストバイ」な端末として苦い記憶が・・・9万円もしたのに「iPhone Xの前座」にしかなりませんでした。
iPhone 8 PlusはiPhone 8 Plusで良いところももちろんあるのですけれど、iPhone Xを購入した後は8+は極稀にスピードテスト用に使うくらいで、ずっと押入れで待機しています。
一方、iPhone Xは2019年夏の今もメイン機(の一台)として普段利用に使っています。iPhone Xを買った2017年11月以降も何台、何十台と新しいスマホを使ってきましたが、ふつーに「まだメインはiPhone Xでいいか」と感じる程度に、よく出来た端末だったと思います。
iPhone XのチップはA11。2018年モデルのiPhone XS/XR/XS MaxはA12であり、iPhoneとしてはXはトップとは言えず、2019年版の第5世代 iPad miniにすら処理能力は劣るということになるものの、ゲームを遊ぶ場合でもiPhone Xで不足に感じることはまだ無いでしょう。
iPhone Xの発売当時の価格は税別で64GBモデルが112,800円、税込み121,824円でした。2019年10月からの消費税増税10%を考慮すると、2019年モデルが価格据え置きだったとしても、12.4万円くらいになりますね。
そして今、発売から1年半以上が経過したiPhone Xですが、中古価格相場はさすが「もと12万円」なだけあり、今でも比較的高い印象を受けます。
2019年7月時点、
イオシスでは一番安い在庫でSIMロック解除済み Cランク品で72,800円です。新品は95,800円。
発売当時から比べれば新品も2万円以上安くなっているものの、よく考えるともうすぐ2世代落ちになろうかというスマホが7万~9万円って、すごいですよね。
Androidの場合も昔に比べれば長く使えるスマホも増えていますが、2年前のXperiaは「Xperia XZ Premium」、Galaxyなら「Galaxy S8+/Note8」が当時のトップ機種です。Galaxy Note8はiPhone Xと近い定価12.6万円(SC-01Kの場合)でしたが、今、中古で7-9万円の価値があるはずもないですから。
9万円出せばもう1世代新しいGalaxy Note9の新品が買えます。
iPhone XもGalaxy Note8も分離プランになる前、月々サポートや端末購入サポートの補助によってMNPならそれなりに安く購入できる時期もありました。それで2年弱が経った時点で、このような中古相場になっています。
一方、確かにiPhone Xの白ロム(中古)価格相場は一般的なスマホに比べれば高い水準を保っているとも言えるのですが、中古状態での下取り価格・買取価格という観点から見ると、また少し印象が変わります。
2019年7月時点において、3キャリアのiPhone Xの下取り査定(故障のない通常動作品)は以下のようになっています。
・ドコモ:64GB 49,000円/256GB 53,000円
・au:54,840円
・SB:54,000円
キャリアの下取り査定基準は「故障はなし・画面、本体に傷あり」程度を想定した価格ですから、まぁ、こんなところでしょう。
iPhone X 64GBのゲオの買取査定(2019年7月16日時点)では、新品状態で58,080円~中古上限52,800円~最低価格31,680円とされています。
イオシスは結構高いです。
SIMフリー版なら、状態をよく保っていれば62,000円くらいで売れることも。私のXは・・・ケース・フィルムを常時着用して使ってきたたので外傷はなく、6.2万円行けるかな?(比較用に必要なので手放しませんけど)
ただ、さすがのiPhone Xもあまり状態の良くないものには高値はつかず、明らかに傷があるランクでは5万円台以下、つまり発売当時の半額以上の価値で買取を期待するのは難しいでしょう。こうみると、キャリアの下取りはそこそこ有利な価格と言っても良い水準です。
また、「半額」と言えばキャリアが導入している「実質リース」なアップグレードプログラム・半額サポートもありました。ドコモの「スマホおかえしプログラム」では1/3ですけれど。
「リセールバリューが高いiPhone」であっても、2年間使った後に定価の半額以上の価値で売れるかどうかは、結構微妙です。プログラムの加入・適用条件の縛りが強い・プログラム料金が高いのではメリットも目減りしますが、端末価格が高いモデルではリースシステムもそんなに悪くないのかもしれないな、と思わせられる一例です。
2019年モデルの新型iPhoneがどんな機能を持つかわかりませんが、ホームボタン無し・ノッチデザインを初めて採用したときのようなインパクトがあるモデルチェンジをして、現行機種・他社機種を圧倒するような人気になったとしてもiPhone Xと同じく「2年後に中古査定は定価の半値以下」になるのか、それとも端末購入補助規制・分離プランの影響が大きく出て中古価格にも影響が出るのか、非常に気になります。
iPhone Xはノッチデザインを大流行させるほどスマホ業界にとってはインパクトがあったモデルであり、十分に「名機だった」と私は思っています。
2019年モデルのiPhoneは分離プラン・割引規制が強化される国内キャリアでどのような売れ行きになるのか、そしてそこからさらに1年・2年と経過した時にどんな状況になっているのか。2017年→2019年のiPhone Xの事例を今回考えてみましたが、やはり同じようにはならないのでしょう。
しかし、分離プラン・割引規制によってユーザー負担の上昇が予想される2019年秋以降、アップルの新型機さえも苦戦する時代が来るのかと思うと・・・。2018年モデルすらアップル的には「想定以下」だったようですが、日本の携帯販売事情がさらに拍車をかけそうです。
私はiPhone XSシリーズを見送ったので次の2019年モデルはどんな価格だろうとたぶん買います。皆さんはどんなタイミングで新しいiPhoneを買うのでしょうか。また、その買い方・使い方(売却を前提に大切に保護して使うか、キャリアのリース前提で「故障・破損」だけ気をつけて使うか)も2019年秋以降は変わってくるのかもしれません。
ここ1-2年のトレンドも最新のiPhoneをキャリアからすぐに買うと高いので、型落ちになったiPhone6sやiPhone 7, iPhone SEがUQモバイル・ワイモバイルでバカ売れしたように、「旧モデルのiPhone+ワイモバ/UQモバイル」という節約運用をするユーザーはますます増えそうです。
ただ、iPhone Xのサブキャリア投入はまず無いでしょう。もう在庫がキャリアにも殆ど残っていないので・・・次はiPhone 8, XRが来そうです。今はワイモバ・UQの主力はiPhone7ですが、キャリアでの販売世代が変われば当然サブキャリアに降りてくる在庫も世代が進むでしょうから。